ツインピークスは好きで、でもWOWOWには加入してないので、
ツタヤに並ぶかどこかの動画配信サイトで配信されるのをずっと待っていたが、
先日ついにツタヤに並び、初日に借りてきた。
そのぐらい楽しみにしていたし、デビッド・リンチ作品は昔から好きで、
「ブルーベルベット」や「ワイルドアットハート」にしびれ、
「ロストハイウェイ」とか「マルホランドドライブ」も大好きだ。
ただツインピークスの謎を一つ一つ追って、あそこのシーンにはこういう意味がある。
とか、そこまでどっぷりはまるほどの深いファンではない。
そんな私からすると、ツインピークスリターンを見て思ったのは、
やっぱり初めのツインピークスって、ローラ・パーマーという女子高生の死体が
岸に打ち上げられて、そこから悲しみがじわじわと広がっていって、誰が犯人なんだ?
という誰もが興味を持つ背骨があったからこそ、わけのわからない怪奇現象なども
散りばめながら引っ張れたのだと思う。
とここが、リターンを見て思ったのは、とにかく取っ掛かりがない。
足がかりとなるちっぽけな踏み板すらも存在しない状況なので、
ほとんど場所も分からない暗闇に置きざりにされたような、
ときどき遭遇する得体のしれない物をただじっと見てそれが通り過ぎるのを待ち、
また新たな物体が近づいてくる……というような状況がずっと続いているような感覚だ。
もちろん、デビッドリンチのテイストが嫌いではないので、
その断片断片はなかなか面白かったりもする。
でも正直言うと、もう少し分かりやすい作りで、
しょっぱなから始めてもらいたかったかなあ。と。
途中で脱線してわけのわからない現象が起こるの一向に構わない。
たぶんこのまま見続けていけば何処かで足場が見つかると思うのだが、
そこまでが何だか億劫になってきてしまった(笑)
よくプロデューサーもこれで許したなあと。
リンチ監督、好き勝手作ってもらって構いませんけど、
ししょっぱなの足がかりだけは作ってもらえませんかねー、
これでは観客が置いてきぼりになる時間が長すぎますよ、と
ちゃんと軌道に乗せてもらいたかった。
今のところはそんな感想だ。
この先は、もう少し時間を置いてからみることにしよう。