レオスカラックスの新作を見た。
「アネット」
見る前はちょっと緊張した。
やはりカラックス作品への期待はちょっと他の監督とは違う。
特別だ。
でも一方で、アレックス3部作「ボーイミーツガール」「汚れた血」「ポンヌフの恋人」の頃のカラックスはもういない。
それも分かっている。
何かしらインパクトを与えてくれればいい。
それ一点だけでも十分満足するだろう。
映画のトータルの評価より、一部分から何かインパクトを認められればそれでいい。
そんなあまり期待はするな、がっかりしたくないぞ、と腰の引けた状態で見に行く。
それでも高まる期待は隠せない。
そんな複雑な気持ちで映画を見に行ったが、、、、全て吹き飛ばされた。
強烈すぎる。
はっきり言って狂ってる。
全編から強烈すぎるインパクトを吐き出しまくっている。
自分はもしかしたら、ホーリーモーターズを見誤っていたのだろうかと疑う。
小手先だけでインパクトを狙ってくるような監督ではなかった。
やばい映画。
狂った映画。
今どきそんな映画には出会えない。
今どき狂った映画なんて出会えない。
しかも独立系の予算のあまりない映画とも違う。
めちゃくちゃ豪華だ。
ポスターの大海原の巨大波を見て、ちょっと盛りすぎだろう、とにやりとしたが、
違う。
映画の中ではもっとその何倍も凄かった。
まさに立ちはだかる巨大な絶壁のような波。
それが押し寄せてくる。
セットで撮っている。むちゃくちゃしている!
ああ~、ああ~、「アネット」は凄い!!!
レオスカラックスはやっぱり凄い!!!
今年でもう60歳。いやまだ60歳。
撮影時の年齢でいうと、ゴダールの「右側に気をつけろ」ぐらいじゃないか!!
この後の10年ぐらいのゴダールはすごかった。
ヌーヴェルヴァーグ Nouvelle vague (1990年)
新ドイツ零年 Allemagne 90 neuf zéro (1991年)
ゴダールの決別 Hélas pour moi (1993年)
JLG/自画像 JLG/JLG - autoportrait de décembre (1995年)
フォーエヴァー・モーツアルト For Ever Mozart (1996年)
ゴダールの映画史 Histoire(s) du cinéma (1998年)
愛の世紀 Éloge de l'amour (2001年)
映画史も撮ってるし!
さすがにカラックスは寡作なので、こんなふうにいかないことは分かっている。
でもせめて4、5年に1本ぐらい撮ってくれないだろうか。
「アネット」のはみ出し気味のパワーを見る限り、年齢はまったく感じさせない。
今の新人たちよりもむしろ新しさに立ち挑んでいるのだから。
本当に感動した。
「アネット」最高!
レオス・カラックスはやっぱり最高すぎた!
(追記)
水原希子さんも6人の女で出演されてました。一瞬6人のあの左上の人!と思ったら
ちゃんとクレジットで確認できました。
この作品に出れたことはご本人も嬉しいだろうな。。
坂本龍一さんの紹介でカラックスに会うことになったそう。
すごいな坂本龍一も。。。
出産シーンの古舘寛治、福島リラもいいなあ、出演できるならタダでも自分で飛行機代出してでもいいという考え方はやっぱダメでしょうか。。。