長い長い小説が原作とあって、8時間も費やしても
走ってしまって描ききれていない感じもあるのですが、でも最後いろいろよかったです。
ほんと大作感が出てましたね。
ずっとピエールを追ってましたが、最後もピエールらしくてよかったですね。
やっと思い続けてきたナターシャと結ばれました。
この人は誠実すぎて、遠回りしすぎです。
捕虜になって、極寒のモスクワからパリまで連行されていく。
その間も何人も脱落者が出て、撃たれて死んでいく。
過酷すぎる捕虜の生活を味わい、不死身の男ピエールは最終的に助かります。
これもまた運命的に、ドーロホフによって助けられる。
一度は妻を寝取られ、決闘をして討ち勝った相手。
でもドーロホフとは何度も再会していて、彼は根に持っていないのは分かっていましたが、
まさか彼によって助けられるとは。
しかも相変わらず、フランス軍にたいして襲撃をして略奪するというドーロホフらしい生き方。
まさか彼が最後まで登場して、こんなに大きな役になるとは思ってませんでした。
大作っぽい運命の描き方でしたね。
(ナターシャの弟の少年兵はこの襲撃のせいで死んでしまうのですが、
結果的にとても小さな悲劇的な扱いでした^^;
そして、ドーロホフとは対照的なエレーヌの描かれ方。
彼女の最期はひどかったですね。
貴族社会で誰にも相手にされず、疎んじられ、最期は薬を大量摂取して死んでいく。
看取った者もおらず、孤独に死んでいってしまいました。
小説だと彼女に起こった出来事なんかも丁寧に追っていたのでしょうか。。。
ドラマだと急に誰にも相手にされず、孤独に陥った。。という感じでした。
その他は報われる人が多かったですね。
アンドレイの妹マリアはピエールの友人でナターシャの兄のニコライと結ばれました。
ニコライの家は没落していて、それを恥じて切り出せないところを、み
マリアの方から積極的に愛を告白するシーンがよかったです。
ニコライは博打で大損したり、結構なダメ男でしたが、今後はどうなるのでしょうか。
心を入れ替えて生きていくのでしょうかね。
そしてやっぱりピエール。
彼はひと目見て誠実だと分かる男だ、と今回もマリアが言っていましたが、
正直で誠実すぎるが故にあまりにも不器用な人生。
ずっとナターシャのことが好きだったが、アンドレイと彼女がうまくいきそうになると、
本気で応援するバカ正直でいい奴なのでした。
アンドレイが死に、一度も寝たことがない自分の妻エレーヌが死に、
ついに二人とも独身になって、愛を告白し、結ばれました。
遠回りとも思える生き方ですが、
捕虜となる前の自分の生活があのまま変わらないのだとしたら、喜んでもう一度捕虜になると最後に言っていましたね。
本当にいい人すぎて変人のピエール。
なかなかこういう主人公はいないので新鮮でした。
見ごたえたっぷりで面白いドラマでした。
このクオリティで20回ぐらいに引き伸ばして、もっと詳しく見たかったなあと思いました。