The Knick/ザ・ニック

ザ・ニック(ドラマ)・ソダーバーグ監督作の動画を見た感想・凄い!

Huluプレミアでまた面白いドラマが始まりました。さすがはHBOですね。

The Knick/ザ・ニックの第1話、すごく面白かったです。
やっぱりソダーバーグは才能ありますね。

Huluでシーズン1・全10話・日本語字幕版で見ることができます。

The Knick/ザ・ニック

ただし、この作品、が苦手な人には少々辛いかもしれません。

患部からドパドパ血が出ます。

そして、手術シーン。メスで肉を切り、患部を開きますが、その様子がばっちりカメラに収められます。

イテテテテ。。。と顔をしかめながら細目を開けて私は見てました(笑)

これほど痛みを直に感じる映画もドラマもなかったので、ある意味ものすごく刺激的です。

暴力シーンなどなくてもこれほど刺激的なドラマが撮れるんですね。新たな発見でした。

舞台は1900年のニューヨーク。

まだ医療技術が発展してなくて、ようやく平均寿命が30代から40代になった頃のことです。

医療器具もまだまだ原始的で、それを身体に入れること自体がとても痛そうです。
で、リアルに手術シーンにカメラを向ける。痛々しく見えるのは当然です。

でもその部分を差し引いたとしても、やっぱり見る価値はあります。

ドラマとしてとても面白かったです。

この時代、人種差別も当たり前のようにあります。

ハーバード出のエリート黒人医師が来るのですが、主人公のクライヴ・オーエン演じる医師ジョン・サッカリーは、「ニグロ」と露骨に呼びます。

彼を雇わない。雇うなら俺が辞める。一緒に仕事はしたくない、と言います。

「黒人にうろつかれたら、患者も嫌がる」とか平気で言い放ちます(笑)

そういう時代だった、と言えばそれまでですが、今のアメリカはこういうセリフをテレビで吐くドラマが作れるのですね。
ある意味、凄いなあと感心しました。

1900年をリアルに描いているからか、みんな野卑で下品です。

救急隊員もすごく下品に描いていて、金持ち重病人患者を他の病院の救急隊員と取り合ったりします。

棒切れを持っていて、それで叩いてでも患者を奪おうとします(笑)

シスターもタバコを外でふかしていたりします。

救急隊員が、なんで処女の女が多いんだ?と聞くと、シスターが答えます。
あんたみたいなお下劣な男と寝たくないからだよ、と。

描写が正直で、全方面に遠慮がなく振り切れてるから面白いのでしょうね。

当時、どんどんニューヨークに流れこんでいた移民も問題にしています。

「移民が増えれば増えるほど、病原菌が増える」とセリフで言ってました。
これもまた移民の多い現代ではデリケートな問題だと思うのですが、バーンと言い放ちますね(笑)

でも実際しょうがない。
移民の生活は貧しさの極地で、衛生的にも劣悪な環境で暮らしていて、すぐに結核にかかって死んでいった。

小さな女の子が生活を支えるために工場で働いている様も描いていました。

そういうのが分かるだけでも、すごく興味深いドラマです。

1900年当時のニューヨークの街並みも見事に再現しています。お金が掛かっていますね。

まだ馬車が行き交っている時代です。

医療技術も飛躍的に上がっていく、その創世記みたいな時代を舞台にしているので人もどんどん手術で死んでいくんですよね。
ある意味、実験体とも言える。

医療を、連戦連勝の「神」に対抗する手段、ととらえているところも面白かったです。

神が連れて行こうとする患者を、医学の力で連れ戻そうとするのですから、ある意味、神に対する冒涜だ、と見る向きもあったのでしょうね。

主人公の医師を演じるクライヴ・オーエンがいい味を出しています。

手術に極度の緊張がともなうからか、あるいは意識をはっきりさせるためか、彼はコカインの常用者です。

体中どこの血管も細いから、と部屋に迎えに来た看護婦に、ペニスの裏の太い血管に注射でコカインを打たせたりするシーンまであります。

どこまでも振り切れてますね。ソダーバーグはこういう10時間の物語を撮りたかったのですね。
最初の1、2話とかだけでなく、全話を彼が手掛けています。

はっきり言って、痛いシーンも多いのですが、これは興味深いし面白いドラマなので見続けようと思いました。

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